宮城野原の表現空間

2010.8月1日opem〜

ギャラリーチフリグリはじまりの日も陽が高く、熱気と腕を組んでる様だったなぁ。と、思い出します。

少し思い返す時を。
宮城県仙台市に生まれ、高校から関東の自由学園へ。それまでの日々とは全く違う環境に、自身をよく感じる期間を持ちました。“内に有るモノがモトになり、外の在り方が様々に写る”という事を知れたと思います。

その後、御茶ノ水美術学校へ。卒業後に通勤もさせてもらい、作家方々の“制作”“生活”を近くで見ることを多く持てました。
その視線を活かしてと、地元の仙台にてギャラリーチフリグリを始めることとしました。


表現があり、人との繋がりがある所でありたい。 
何かを、目にし、心が動いて、表情に現れる。


チフリグリは造語ですが私の核になる思いが込められています。
cheerfully=愉快に快活に grin=笑う。

対外的な明るく楽しい感じで通るイメージを出してますが、そのまま受け取ってもらえるのも良いですが、踏み込み先もありまして、笑うの中に、人は様々な笑い方を持っていて、微笑みも、大笑いも、苦笑いも、含まれています。


私が、表現する者としての姿勢を意識した頃、その思いを物質的に置き換えると、
“開かないシジミ”がしっくりきました。
今も大切にしている視点、感点の手引きとなってます。
明暗、表裏、紙一重、一同、ないまぜ。 僅なことに、研ぎ澄ます。探る。精を出す。


『日常一会(にちじょういちえ) 生活の中に表現が在る。』
幾度か8月に開催した展示会のタイトルです。 
一期一会は日々時々に散りばめられていて、気に留めたソレを表現したものが作品なのだと思い、開廊した月に開催したいと思っておりました。

今年の開催は見送りですが、それもまた面白い事で、日々の繋がりや匙加減で、予定や想像とはまた違った様な次の日を眺めます。

ギャラリーチフリグリの時空間が“ひとつの作品”で、様々な過程が画材。これからの変化を鑑賞してゆきたいです。

大変動となった東日本大震災や新型感染症の時期も、私生活のリズムにも沿って、その時々の出来る事を続けさせてもらえている事がありがたいです。

これまでに接してくださった方々、心を向けてくださっている方々に、心より感謝致しております。
ぜひこれからもご一緒していただきたく思います。

                         2024年8月1日 いのうえ佳代子